病を癒す毒 9
キンコナの例があるように、合成の代替品がいつも完全に自然の代わりになるわけではありません。
この抗マラリア剤で起きたことは、他の合成薬でも起こることです。
どの植物種を救うかを選択するときになったら、知られている薬用植物はすべて(合成薬を生み出していようがいまいが)優先的に扱われるべきです。
キンコナの例はまた、ある植物とその近縁種に見られる自然の遺伝的変異に注目することにより、いかにもっと生産性の高い植物がつくり出されるか、ということを教えています。
最初にキニーネ抽出に用いられたキンコナ樹には、約4パーセントのキニーネが含まれていました。
プランテーションができる前は、キンコナ樹の樹皮は手あたり次第に採取されて、キニーネ含有量の最も高い樹皮が使われました。
農場主と科学者は、キンコナ樹が持つとてつもない経済的価値に気づくようになったので、とびぬけてキニーネ含有量の多い系統を選抜し育成しました。
そして、とうとうキニーネ含有量は13パーセントにも跳ね上がったのです。